平成28年度 1学期始業式 校長式辞より

(前文略)

さて、新年度の始業式にあたり、生徒の皆さんと、私たち教職員も含めて、今年度特に学校をあげて取り組みたいことが、「5S」の取組です。
「5S」とは、①整理、②整頓、③清掃、④清潔、⑤しつけ(躾)、の頭文字をとったもので、もともとは、製造現場などで安全や品質向上を目的として取り組まれていた活動ですが、今では多くの会社や施設などで、「職場全体のレベル(すなわち、職場相互の人間関係やお客さんとの信頼関係、社員の満足度など)を上げること」を目的として取り組まれる活動となっています。

まず「①整理」と「②整頓」とは、「必要なものと必要でないものとを分けること」、そして「必要なものを決められた場所に置いて、いつでも取り出せる状態にしておくこと」を言います。整理・整頓の対象は物だけではありません。スペースや情報などもそうです。自分に必要な身の回りの物や学校をきれいにし、物や事柄を「整理」し「整頓」しておくことが成果を生み出す秘訣です。(皆さんの教室はどうですか?)

次は「③清掃」と「④清潔」です。「清掃」とは言うまでもありませんが「掃除」。私は「掃除」は「自分以外のみんなのためにするもの」と考えています。一日のうちのわずか10分でもいい、人のために力一杯、気持ちを込めて働くのが「掃除」と考えるのです。それも、ただするのではなく、「どうしたらきれいになるか」、「どこか汚れたところは残っていないか」と気持ちを集中して働くのです。そうすると、「掃除」はまちがいなく『自分を高める時間』になるはずです。「清潔」は、「衛生に保つこと」。今言った「①整理、②整頓、③清掃の3つを維持して保つこと」を言います。

そして最後の「④しつけ(躾)」です。身を美しくすると書いて『しつけ』と読みます。「躾」は、「決められたことを必ず守るように徹底すること」です。「習慣にする」ことを言います。よく大人が小さい子どもに「言って聞かせること」を「躾」と言いますが、本校では違います。「躾」は、皆さん自身が「自分自身を美しくする」、「高める」ために、自らが意識して取り組むことを意味しています。冒頭に私が皆さんにお願いした、「人の話は目で聞く」もその一つです。気持ちの良い「挨拶」と、場に応じた正しい「言葉遣いや立ち振る舞い」ができる人になってほしい、そう、先生方が言い続けていることも、この「躾」です。

以上、新年度の始まりにあたって、「5S」についてお願いしました。皆で頑張りましょう! 終わりに、この一年が、ここにいる生徒の皆さん、そして先生方、全ての人が、健康で、皆が笑顔で、たくましく成長できる一年となるよう、心から願っています。以上で、式辞とします。

平成28年 4月8日(金)