平成25年度卒業式 校長式辞

 厳しかった冬の寒さも和らぎ、 砂川沿いを吹く風にも、春の息吹を感じる今日の佳き日、 岡山県教育委員会
塩田 勇様、岡山県議会議員 西岡 聖貴様をはじめ、多数の御来賓、保護者の皆様の御臨席を賜り、岡山県立
瀬戸南高等学校、平成25年度卒業証書授与式が、厳粛に挙行できますことは、この上ない喜びであり、深く感謝
申し上げます。
 ただ今、卒業証書を授与いたしました146名の皆さん、卒業おめでとう。皆さんは本校所定の課程を修了され、
栄えある第28期卒業生として、晴れの日を迎えられました。心からお祝いを申し上げます。
 また、保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。人生で最も多感で、しかも著しい成長期のお子様が、
こうして卒業の慶びの日を迎えられましたことは、感慨もひとしおかと御推察申し上げます。今日まで3か年にわ
たり、本校の教育活動のために、多大な御支援、御協力を賜りましたこと、全教職員を代表し、改めて厚くお礼を
申し上げます。
 卒業生の皆さんは、平成23年4月、希望に胸をふくらませて、本校に入学して以来、「創造・自律・友愛」の校訓
のもと、学業をはじめ、生徒会活動や農業クラブ・家庭クラブ活動、そして、部活動に情熱を傾けてきました。とり
わけ、命と向き合い、命を育てる学習や、 夏の猛暑、冬の厳しい寒さに耐えての実習を通して身につけた力は、
今後の皆さんを支える大きな財産です。
 今、卒業式に臨み皆さんの脳裏には、どんな思い出が去来しているでしょうか。 休み時間や部活動での何気な
い友との会話、授業や実習の先生方とのやりとり、友との友情を深め合った桃源祭体育の部、青春のエネルギー
を燃やした文化の部、また東京への修学旅行、あるいは伝統のシクラメン祭りなどの学校行事でしょうか。本校で
の生活を通して、自分の素晴らしいところをきっと見つけてくれたものと信じています。本校での出合いと思い出は、
皆さんの一生の宝物です。
 さて、今から3年前の3月11日、日本観測史上最大の地震が発生、 高さ40メートルもの巨大津波が東北地方
を襲い、福島第一原発を壊滅させ、生きているのが当たり前だったはずの多くの人達の命を奪ってしまいました。
震災直後から世界百数十ヶ国に支援の輪が広がり、「頑張ろう。日本」の声の中、辛抱強く、そして力強く復興して
いこうとする被災地の方々の歩みと時を同じくして、皆さんは、3年間の高校生活を送ってきました。
 先日閉会したソチオリンピックでは、フィギィアスケート男子で優勝した羽生弓弦選手の記者会見がとりわけ印象
に残りました。 喜びに沸くはずの会見場は、19歳の彼の言葉の重さに静まりかえりました。津波で自宅を失った
羽生選手は、あまり笑顔を見せず、言いました。「震災後スケートができなくて、 本当に辞めようと思った。生活す
ることすら精一杯のぎりぎりの状態。 たくさんの方々に支えられて、 こうやって今この場所にいる。 だから感謝の
気持ちを持っていたい。」彼を3年間で急成長させたのは、 自分の夢を叶えたいという思いだけでなく、 被災地の
人々に対する強い思いだったのです。 努力を重ねれば、夢をつかめる。 人の絆は大きな力なんだという、強烈な
メッセージを世界中に送りました。
 同じく、震災にあった仙台に本拠地を置く楽天イーグルスを、日本一に導いた田中将大投手が、大リーグの名門
ヤンキースへ入団しました。彼の闘志みなぎる投球も、被災地の方々に大きな勇気を与えたに違いありません。
その彼が、日本を離れる前に、7年間自分を育ててくれた仙台球場のマウンドに向かって深々と一礼したそうです。
彼もまた、周りへの感謝の心を忘れなかったのです。彼らの謙虚さ、礼儀正しい姿は日本人としての誇りだと思い
ます。
 さて、2020年のオリンピック・パラリンピックの開催地が、東京に決定し、日本中が新たな大きな目標に向かっ
て歩み始めました。今、皆さんのように若い世代が、どんどんと世界に挑戦しています。
 そこで最後に、これから人生の夢に挑戦できる皆さんに、一つの言葉を送り、はなむけとしたいと思います。「あ
きらめなければいつかは夢が叶う」という言葉です。 30歳の若さで、STAP細胞を作り出した、 理化学研究所の
小保方晴子さん。「何百年にもわたる細胞生物学の歴史を愚弄している」とまで酷評され、それでもくじけずに研究
を続け、つらいときも、泣き明かした夜も、 今日一日、 明日一日だけ頑張ろうと思って、研究を続けたそうです。
彼女の知人は 「やると決めたらどんなことがあってもやりきる人だ」 と彼女のことを言っています。 どんな事態に
直面してもあきらめないこと。 皆さんの前途には、明るいことばかりでなく、 困難が立ちはだかることも少なくない
でしょう。 しかし、 そういう時こそ、 本校で培った力とあきらめない心を持って、 それぞれの夢に向かって努力を
続けてください。 必ず、あなた方を支えてくれる人、理解し、 応援してくれる人に巡り会えるはずです。 そうして、
立派な花を咲かせ、幸せの実を結ばせることを、心より願っています。
 いよいよ本校を巣立つ時がきました。前途洋々たる皆さんに、幸多かれと祈念して、式辞といたします。

平成26年3月1日(土)

卒業生入場

卒業式・式次第

テレビ・収録

開式の辞

卒業証書授与(生物生産科A組)

卒業証書授与(園芸科学科B組)

卒業証書授与(園芸科学科C組)

卒業証書授与(園芸科学科)

卒業証書授与(生活デザイン科D組)

校長式辞

教育委員会式辞

来賓祝辞(西岡県議)

送辞(武澤・生徒会長)

答辞(福田・前家庭クラブ会長)

校歌斉唱

校歌斉唱「♪朝日に映える小廻りの♪・・・」

卒業生退場

卒業生退場

式後、川崎PTA会長あいさつ

式後、3年学年主任青山あいさつ


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