平成25年度 岡山県立瀬戸南高等学校 創立88周年記念式

式 辞
 ゆっくりとですが、朝夕に秋を感じる季節となりました。
 本日は、瀬戸南高等学校の創立88周年記念式に、お忙しい中を吉田銑介同窓会長のご臨席をいただき、厚く御礼
を申し上げます。88年というと人間であれば米寿の祝いとなります。
 まず、最初に本校の生い立ちと88年の歴史を簡単に説明します。
 今から約100年前の明治時代末期から大正時代初期にかけて、本校の位置する旭東地区は、米や麦、モモ、ブド
ウ、畜産などの農業を中心に発展してきました。 そのころ、地域の将来を担う青年に、 農業教育を行うことが必要と
なりました。
 そして、大正15年3月、「岡山県瀬戸実業学校」としての設置が許可され、 ちょうど88年前の今日、開校式が挙行
されました。 本校が創立された大正15年は、その年の12月に大正天皇が崩御され、 昭和元年となった年でもあり
ます。
 時代が移り、今の校名は、昭和59年、今から29年前に、生活デザイン科の前身である「家政科」2学級を新しく加
え、「瀬戸農業高等学校」から、「瀬戸南高等学校」に校名が変更されました。
 現在10,927名の卒業生の方が、 本校を巣立ち、 地域の発展に貢献し、 また、本校の応援団として、 みんなを
温かく見守ってくださっております。

 さて、 話は変わりますが、 昨年の今日、 式辞で、先生は校長室の本棚に、 毎年1冊ずつ保存されてある34冊の
「句集・しくらめん」の話をしました。覚えてくれている2・3年生もいると思います。
 今年は、同じく校長室の本棚にあった「桃源」という生徒会・農業クラブ・家庭クラブの機関誌を紹介します。「桃源」
は 昨年度までに56号が発行されています。 そのうち校長室に保管されてあった一番古いのが、 昭和33年発行の
第6号でした。 昭和33年というと今から55年前、先生が生まれた年でもありますが、 今その「桃源第6号」を持って
きました。この通り大きさは今の半分のA5サイズ、表紙は木造校舎が写ったものです。全ページに渡って、紙はセピ
ア色に変色していて時代を感じさせます。
 巻末の発行所を見ると 「岡山県立瀬戸農業高等学校 報道部」とありました。今年度本校でも「報道部」ができまし
たが、55年前にも「報道部」が活躍していたんだなあと思いました。
 「桃源第6号」の内容を見てみると、この年の大きな出来事に農業クラブ全国大会宮城大会の平板測量競技におい
て、今日お越しになっている吉田同窓会長が測量日本一になったという記事が随所に載っていました。 改めて、本校
の歴史にしっかりと名前を刻まれたんだと敬服いたしました。

 当時の羽原茂校長が、この桃源の巻頭言として、こんな言葉を書かれています。 ステージの右側に掲示しています
が、 「随所作主、立処皆真」。 非常に難しい言葉です。
 少し噛み砕いていうと、「今、自分が置かれている環境、或いは立場で、自分のできる最善を尽くすことこそが、大き
な成果を挙げることになる。」ということです。 例えば 「自分が今置かれている立場や境遇が、自分が望んでいるもの
でないからと言って、腐ったり、ふてくされて何もしないのが一番良くない。 いかなる境遇や立場であっても、最善を尽
くせば、必ず道は開ける」ということ。
 さらに身近なことでいうと、例えば、人間関係がうまくいっていない相手がいたとすると、その時、「相手が挨拶するま
で、こっちも挨拶しない。」では人間関係は良くならない。「相手が挨拶しようがしまいが、俺は挨拶する。」 「今の境遇
で最善を尽くすこと」これが、「随所作主、立処皆真」の意味です。

 最後になりましたが、 みんなの母校が、 みんなの力で、さ らに地域に愛され、 地域になくてはならない学校として、
これから100年、200年と長い歴史を刻んで行くことを心より祈念して、創立88周年記念式の式辞といたします。

平成25年10月1日(火)


校長式辞

背面は、記念行事の劇団かかし座
による 「星の王子様」 の舞台です

「桃源」第六号(昭和33年発行)
全国大会技術協議会に出場して
吉田同窓会長による祝辞
吉田会長による全国大会出場者への激励
劇団かかし座による公演 「星の王子様」(影絵)


生徒の影絵体験コーナー


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