平成24年度 岡山県立瀬戸南高等学校 創立87周年記念式

式 辞
 日増しに秋の深まりを感じる季節となりました。
 本日は、瀬戸南高等学校の創立87周年記念式に、お忙しい中を吉田銑介同窓会長、幡中千秋副会長のご臨席
をいただき、衷心より厚く御礼を申し上げます。
 さて、明治末期から大正初期にかけて、 本校のある旭東地区は、 農業が主体で、米と麦を中心に果樹、畜産を
加えて発展を続けました。そして、地域の将来を担う農村青年に、実業教育を行うことが必要となってきました。    
 大正時代になり、 校歌の1番にある、 「物理(ぶつり)」 と書いて、 「もどろい」 と読む 「もどろい村」 から、現在の
「瀬戸町」へと町名が変わり、大正15年3月、「岡山県瀬戸実業学校」としての設置が許可され、ちょうど87年前の
今日、開校式が挙行されました。            
 本校が創立された大正15年は、あのトヨタ自動車の創業者である豊田佐吉氏が、今のトヨタ自動車の母体となっ
た、 豊田自動織機(しょっき)製作所を設立した年でもあり、 その年の12月には大正天皇が崩御され、 昭和元年と
なった年でもあります。
 時代が移り、現在の 「瀬戸南高等学校」 という校名は、昭和59年4月、今から28年前に、岡山県高等学校再編
整備により、「家政科」2学級を新しく加え、「瀬戸農業高等学校」から、「瀬戸南高等学校」に校名が変更されました。
 ところで、10,787という数字について、何か想像がつくでしょうか。これは、本校で学び、活動し、そして卒業して
いったみんなの先輩達の人数です。第1回の卒業生は、わずか35名ですが、大正、昭和、平成と87年の歴史の中
で10,787名に達しました。 みんなもいずれはこの数に加わり、2万、3万とその数が増加し、地域の発展に貢献し
ていくことと思います。
 私は今年4月本校に赴任し、 この夏休みを利用して校長室にある本棚を整理しました。 そこには本校の歴史をつ
づった本がたくさんありました。
 その中には、34冊の「句集・しくらめん」が、毎年1冊ずつきちん整頓されて置かれていました。創刊号は、昭和53
年で、発行所は「瀬戸農業高等学校・文芸クラブ」と書かれていました。「心の教育」を目標として、豊かな感情、感動
の涙、心からの笑顔をもって、 生き生きとした生活を送ってほしいとの願いから、「句集・しくらめん」の創刊が決まっ
たようです。
 この句集の見返しには、34年間ずっと、 同じ言葉がつづられています。 その言葉は、「シクラメンは本校を代表す
る花であり、生徒に最も親しまれている花である。 12月の初めから春まで、次から次へと咲き続けるこの花は、種を
まいてから咲くまでに、1年数ヶ月以上もかかる。卒業後も忘れられない花なのである。」と書かれています。
 みんなも諸先輩同様、 3年間しっかりとした知識と教養を身につけ、 冬場の寒さに負けず、社会の厳しさに負けず、
立派なきれいな花が咲かせる人になってください。
 最後に、34年前の創刊号に書かれたシクラメンをお題とした俳句をいくつか紹介します。「観るよりも、作る苦労の、
シクラメン」・・「シクラメン、部屋いっぱいに、香り立つ」・・「シクラメン、花の数ほど、愛される」
 みんなの力で、これから100年、200年と続いていくであろう、瀬戸南高校のすばらしい歴史を作っていってください。
 以上で、創立87周年記念式の式辞といたします。
平成24年10月1日(月)

「句集・しくらめん創刊号」
「創刊号の見返し」

「10/1現在のシクラメンハウス」

「早く咲きすぎたシクラメン」


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